「情報の量」と「考える量」は反比例する

──奥野さんは、ご自身の時間をどう活用されていますか? 時間を無駄にしないために、実践されている習慣などがあれば教えてください。

奥野:今日からすぐにでも実践できる、みなさんにおすすめしたい習慣が3つあります。

 まず、スマホを見ないようにすること。電車に乗って周りを見てみると、スマホを見ている人が多すぎるんです。人と同じことをやっているようでは、頭一つ飛び抜けて稼げる人間にはなれません。

──人と同じことをやってはダメ、ですか。なるほど。でも、スマホで情報収集をしている人も多いのでは?

奥野:それ、みんな言いますけど、「情報の量」と「考える量」って反比例するんですよ。たくさんの情報に触れていると「自分で考えている」と勘違いしてしまうけど、実は他人の意見を取り入れているだけで、自分で考えてはいないんですよね。

 だから、スマホで情報収集するのは「自分で考えない」という選択をしているのと同じなんですよ。

 iPhone、Facebook、Twitterなどを開発した技術者たちは、人類の野生的本能に働きかけるようにサービスを設計しているんです。スマホを見たくなるように、アプリを開きたくなるように、どんな効果をつければドーパミンが出るのか、研究し尽くしている。

 ですから、彼らのそういったドーパミン製造の狙いに乗らないようにする。これがまず大事ですよね。

 私がスマホを開くかわりにおすすめしたいのは、電車に乗ったら本を読むとか、ノートをつけるとか、手帳で今日やることを書き出すとか……。いずれにしても「自分で考える」習慣です。

──スマホを見ないようにしたいけど習慣をやめられない……という人もいると思うのですが、誘惑に打ち勝つために奥野さんが実践されていることはありますか?

奥野:スマホを白黒にするといいですよ。

──えっ!? そんなことできるんですか?

奥野:色を変更できる機能があるんですよ。iPhoneの場合は、「設定」→「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」→「カラーフィルタ」で、白黒に設定ができます。僕自身も白黒の設定にしています。ぜひやってみたください。途端に見る量が減って、びっくりするはずです(笑)。

 スマホを見ないようにするだけで、ずいぶん生産性が変わりますよ。SNSで他人と自分を比べて不安になったところで、他人の将来を変えることはできない。他人の将来、他人の過去、自分の将来、自分の過去のうち、影響を与えられるのは「自分の将来」だけです。頑張ってもコントロールできないものに、時間という貴重な資産を投資するのはあまりにもったいないと思いませんか?

適度なストレスが人を成長させる

奥野:「他人に人生を支配されない」という意味では、「断る」習慣も重要です。「あなたしかいないんです」と言われたときでも、きちんと断れるかどうか。なぜ断れないかというと、何に時間を使えばいいか優先順位を決められていないからです。他人の基準で物事を判断してしまっているわけですね。何でも引き受けていると、結局クオリティが落ちるんですよ。

 とはいえ、断りすぎるのもよくありません。ある程度無理しないと人間は成長できませんからね。人間が成長するのは、つま先で立つくらいの無理をしているときなんです。

 でも、無理をするとストレスがかかりますよね。ほどよいストレスって必要なんですけど、溜まりに溜まって、病んでしまう人もいます。ストレスコントロールって難しいんですよ。

 そこで大事なのは、寝ることです。「悶々として寝れない」ことが余計なストレスになりますので、きちんと寝ましょう。寝て忘れましょう。

 おさらいです。

 お金持ちになるためには、他人や社会に価値を提供できる人間にならなければいけません。主体性を持って優先順位をつけ、時間を投資し、能力を高めていきましょう。

 そのために私がおすすめしたい3つの習慣は、

1 スマホを白黒設定にし、見る時間を減らすこと。
2 優先順位を明確にし、断る力を磨くこと。「つま先で立つ」くらいの程よい無理をして成長に繋げること。
3 ストレスを溜めないために、しっかり寝ること。

 スマホを見ない、断る、寝る。この3つがキーワードです。

 今回の本では、「投資の仕組み」を15歳でも理解できるように噛み砕いて解説しました。「投資」はものすごく縁遠い話だと思っている人が多いかもしれませんが、そんなに難しく考えなくて大丈夫です。あなたの一挙手一投足は、基本的に投資なんです。

 自分の人生をよりよくするために変えられるのは「自分」と「未来」だけ。自分自身ではどうしようもない「過去」に引きずられ、「他人」に言われるままの人生を生きれば、相当な確率で失敗します。他人の人生を生きるのはやめ、自分の人生のオーナーになりましょう。

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第1回 なぜ真面目に働いているのに出世できないのか?

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