三菱UFJ銀行で4月、新たな頭取に半沢淳一氏が昇格した。国内最大規模を誇りながら、銀行単体で見ると、経営の効率性を示す経費率で競合の三井住友銀行に劣っている。現状を打開するためにどうコスト構造を変えていくのか。半沢頭取に直撃した。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)
三菱UFJ銀行に半沢淳一頭取が就任
業務量削減は6年間で「1万人分」に上振れ
――昨年12月の頭取就任会見では、自社の低い収益性を克服するために、「損益分岐点を下げる」ことを強調しました。どうやって実現するのでしょうか。
私たちには、店舗という有人のチャネルとデジタルという反対のチャネルがあります。これらの裏側にある事務プロセスを、紙を使わない形へと一気通貫に変えてしまう。これが一番分かりやすい(コストの)削減方法です。この事務部門に張っていた人を減少させるか、営業部門に振り分けます。
私たちは、2017年から23年までの6年間で、約9500人相当分の業務量を減らすと発表しました。足元で約4000人の業務量を減らせていて、おそらく1万人を超える規模になる見込みです。
それに合わせて、少なくとも6000人は採用抑制で間違いなく人員を減らします。残りは、(前述したように)営業部門に振り分けていく。人件費については、減らす方向性が見えてきました。
店舗のファシリティコスト(物件費)についても、大きく下げていきます。