日本の人事部「HRアワード2020」書籍部門 最優秀賞を受賞した『他者と働く――「わかりあえなさ」から始める組織論』の著者・宇田川元一氏が、1年半をかけて執筆した最新刊『組織が変わる――行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2 on 2』が、いよいよ4/21に発売される。
リモートワークが長期化している昨今、わかりあえない上司と部下のモヤモヤは最高潮に達している。そこで、今、最も注目を集める著者が、新しい対話の方法「2 on 2」を初めて公開した。
事前に本書を読んだ人からは、こんな感想が届いている。
早速夜更かししそうなくらい素晴らしい内容。特に自発的に動かない組織のリーダーについてのくだりは!
読み始めていきなり頭をパカーンと殴られた。慢性疾患ってうちの会社のこと? すべて見抜かれている
『他者と働く』が慢性疾患の現状認識ツールなら、『組織が変わる』は慢性疾患の寛解ツールだ
さらに、2 on 2を実際体験した人は
言語化できないモヤモヤの正体が形になって現れる体験は衝撃でした
共同開発者(リクルートマネジメントソリューションズ)は
組織の見えない問題があぶり出される画期的な方法」だという。
宇田川氏によると、本書の効能は「7つ」ある。
★1.自分も相手も見えている風景が変わる
★2.自分でしょいこんでいた荷物をおろす方法がわかる
★3.人の力を借りられるようになる
★4.ひとりで悩まなくなる
★5.4人1組の「2 on 2」で言語化できないモヤモヤの正体が現れる
★6.上司と部下が協力し合える
★7.組織が変わる
経営層からの数字のプレッシャーが高まる一方で、部下にはより細やかなマネジメントが求められる。仕事を抱え込み、孤立無援のマネジャーたちの疲弊度も限界にきている。このままでは組織自体も危うい。
今回、前著に読者から寄せられた疑問「対話の重要性はわかった。だが、現場でどう対話を実践したらいいかわからない」に宇田川氏がダイレクトに答えた。
職場に活気がない、会議で発言が出てこない、職場がギスギスしている、仕事のミスが多い、忙しいのに数字が上がらない、病欠が増えている、離職者が多い……これらを「組織の慢性疾患」と呼び、セルフケアの方法を紹介した宇田川氏。
我々は放置され続ける「組織の慢性疾患」に、どんな手立てを講じられるのだろうか。
連載トップバッターとして、2 on 2の体験者を直撃した。

「2 on 2」の体験者に聞いた
「2 on 2」の何が効果的か?

体験者が初告白!<br />「私にとって 2 on 2 は、<br />言語化できないモヤモヤの正体が<br />形になって現れた衝撃の体験でした。」

Fringe81株式会社
COO室マーケティング戦略室 室長
Uniposマーケティング責任者
柳川小春さん

Uniposとは人事向けのクラウドサービス。従業員同士が感謝の言葉とポイントを送り合うことで働く意味を感じられるソフトウェアを開発・販売。柳川氏は新卒で入社4年目。2 on 2講座参加者。

 私が実際に、新しい対話の方法「2 on 2(ツー・オン・ツー)」を学んでみようと思ったのは、新型コロナウイルスの影響で2020年4月にチーム内のミッションや目標が大きく変わったことがきっかけです。

 それによって、チーム内で混乱が大きくなってしまい、昨年7月くらいから私とメンバーとの衝突だけでなく、メンバー同士も衝突していました。

 それで7月末くらいから精神的にもかなりまいってきて、どうしたらいいかずっとモヤモヤしていたのです。

 少し背景をお伝えしましょう。

 中途入社した女性メンバーと一緒に働いているうちに、広報の才能があると思ったので、2020年の年明けからPRの仕事をやってもらいました。

 すると見事にはまって、本人も「この仕事が天職かもしれない」と言いながら、意欲的に取り組み始めました。

 しかし、その3ヵ月後に緊急事態宣言が発令され、チーム全員に別のミッションができたので、いったん広報の仕事をやめてもらい、新しいミッションに取り組んでもらいました。

 それが本人にとって苦手な業務がかなりあり、業務も多忙だったので、ストレスを溜めてしまったのです。私もそれに気づきながらも、「全員で取り組まないと突破できないからお願い!」と押しきってしまいました。

 でも、その夏、いよいよ本人に限界がきて、大変ショックなことを打ち明けられました。

 私自身も「どうしてそんなことを言われなきゃいけないの」と思い、彼女との溝が大きくなりました。

 私は管理職です。

 経営陣の見ている風景、メンバーたちが見ている風景、そして、自分から見える風景との間で常に葛藤し続けていました。

 当時行っていた月に一度の1 on 1の面談では、「この矛盾をどうしたらいいのだろう」と悶々としている間に、相手との溝に橋が架からないまま終わってしまう状況でした。

 そんなときに偶然、宇田川先生の「2 on 2」の講座を目にして、「これかも」と直感したのが参加のきっかけでした。

 言語化できないモヤモヤに対して、本気で向き合いたいと思ったのです。