「見返りを求める心」は態度に出る

管理職になれば、
取りまとめなければならないことがさらに多くなる。
もっとも重要なのは、見返りを求める心を捨てることだ。

私はこれだけやったんだから、
他の人にもこれぐらいやってほしい、
私はこんなふうにしたから、
相手にも同じようにしてもらいたい。
こういう考えが積み重なっていくと、
態度にも出てしまい、
毎日顔を合わせなければならない人との関係が
ぎこちなくなって、
コミュニケーションがうまくいかず、
業務遂行がいっそう難しくなる。

見返りを求める心を捨てて、
自分がこなせるぶんだけの仕事をやることが重要だ。

自分ができることを丁寧に

明るくほがらかでありたければ、
明るくほがらかに過ごし、
親切にしたいと思う相手には親切にして、
親切にしたいと思うのが難しい相手にはほどほどに接し、
自分ができる範囲のことをがんばりつつ、
自分にこなせるスピードで
人間関係や会社の仕事に取り組めば、
いつまでも心に問題を抱えることなく
歩んでいくことができる。

期待を持ってやるのではなく、
自分ができるぶんだけの仕事をこなしながら進むことに
意味を持たせてほしい。
それが自分らしさだ。簡単に揺らがない自分になれる。

(本原稿は、クルベウ著 藤田麗子訳『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』から一部抜粋・改変したものです)

【著者】クルベウ
1988年生まれ。詩人、作家。本名キム・ドンヒョク。事業に失敗し、自分のためにSNSに投稿していた癒やしの言葉が多くの読者の共感を集め、SNSの投稿をまとめた著書『心配しないで』で作家デビュー。処女作はBTSのファン感謝イベントで紹介され、ファンの間で「BTSおすすめの作家」として話題となる。
作家としてデビューしてわずか1年で大手企業から講演の依頼が殺到し、年100回以上の大規模講演を行う。2017年からはリュックを背負い、韓国全土を回って人々の悩みを聴く「セボム・プロジェクト」を実施している。
韓国では本書のほかに、20万部を超えるベストセラーとなった『疲れたり、好きなことがなかったり』や『何でもない今はない』『他人の目を意識して苦しい私に』『今日ほど私が嫌になった日はない』などの著書がある。『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』は著者初の日本語翻訳本。Instagramのフォロワーは23万人(2021年3月現在)、著書累計55万部。