変異ウイルスの感染拡大で
物流正常化まで長期化も
米ファイザー社がワクチンの開発に成功したことによってワクチン接種が進捗(しんちょく)し、想定していたよりも早いタイミングで新型コロナウイルスの影響が緩和するとの期待が高まっている。
しかし、感染力の強い変異ウイルスが欧州や日本で感染拡大するなど、予断を許さない状況が続く。ひょっとすると現在接種が進んでいるワクチンも、変異ウイルスに効かない可能性もある。
結局のところ、人やモノの移動が正常化するにはまだ時間がかかる可能性があり、それに伴って物流が滞るリスクを想定しておく必要がある。この数カ月、ニュースベースでも「製造業が現物を確保できずにいる」ことが、たびたび取り上げられている。
通常、景気が減速している局面では最終需要が減少するため供給過剰となり、物流が問題視されることはあまりない。
新型コロナの感染拡大に伴って発生している物流の問題は、感染拡大を防止するために各国間の移動が制限された結果、航空機需要が減少し、旅客数も減少したことによって発生している。