企業・派遣スタッフともに
「テレワークで業務効率アップ」を実感

 では、実際にテレワークを経験してみてどうだったのでしょうか。派遣スタッフ・企業双方からは、「心配したほどではなかった」「やってみたら意外とできた」という声が数多く聞こえてきます。

 アンケート調査によると、不安視された「業務効率」について、派遣スタッフの約4割が「オフィスの方が業務が進む」と回答したのに対し、「どちらともいえない」(31.7%)「在宅の方が業務が進む」(29.9%)と回答した人が約6割に達しました。

 一方、テレワークで派遣スタッフのマネジメントを行う企業の担当者側では、業務効率について「在宅の方が悪くなった」と回答したのはわずか15.6%。約8割が「どちらともいえない」(51.2%)「在宅の方が良くなった」(33.2%)と回答しています。

 業務指示のしやすさについても、「在宅の方が悪くなった」が25.6%に対し、「どちらともいえない」(48.4%)「在宅の方が良くなった」(26.2%)の合計が7割を超えています。

 これらの数字からも、当初心配していたほどの問題がテレワーク下では起きなかったことがわかります。業務内容が明確に決まっている派遣スタッフとテレワークは親和性が高いとも言えるでしょう。

 ただし「コミュニケーション」については、感想が分かれています。

 派遣スタッフからは、「メールでは微妙なニュアンスが伝わりづらい」「不明点があるとき、隣にいればすぐに質問ができる」といった点で「オフィスが良い」という声がある一方、「指示がテキストで残るので、後から確認しやすい」という理由で「在宅が良い」というコメントも寄せられています。

 そして、「オンラインの方が簡潔でわかりやすい場合もあれば、対面の方がわかりやすいこともある」「コミュニケーションの質(わかりやすさ)は相手に依存するのでどちらでもかわらない」というように、どちらともいえないという回答が約半数(50.8%)に上っています。

 これらのアンケートは、緊急事態宣言後に多くの企業がテレワークに移行して約3カ月たった2020年6~7月ごろに行ったもので、現在はさらにテレワーク環境の整備が進んでいることから、現状ではもっとテレワークによる効率アップを感じる人が増えているかもしれません。