なぜ今中国とイランが包括協定?アメリカの弱みを狙った中国の策略
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中国とイランの連携、
日本はどう報じたか

 2021年3月27日、中国とイランは、今後25年間にわたり経済や安全保障などの分野で連携を深める包括協定を結んだ。中東6カ国歴訪でテヘラン入りした中国の王毅国務委員兼外相が同日、イランのザリフ外相と会談し、その協定に署名したのである。

 日本のメディアの報道によれば、協定の具体的な内容は明らかになっていない。しかし、米国メディアなどの報道を引用する形で、中国がエネルギー分野や鉄道、高速通信規格5Gなどの整備に25年間で約4000億ドル(約44兆円)を投資する見返りに、イランが原油やガスを中国に低価格で供給し、合同軍事演習の実施など、安全保障分野での連携も盛り込まれていると報じている。

 メディアの記事の見出しを見れば、日本側の受け止め方が大体、わかる。

・「中国外相、中東6カ国を訪問 『対中包囲網』に対抗狙う」(朝日新聞
・「中国とイラン、25カ年協定調印 民主主義陣営に対抗」(日本経済新聞
・「中国とイラン、25年間の関係強化へ協力文書…『対米』の共闘戦略」(読売新聞
・「中国、イランと25年間の包括協力協定調印 経済軸に対米共闘を強化」(産経新聞
・「中国・イラン、25年間協定 経済・安保、米に対抗 核合意、深まる混迷」(毎日新聞

 米国への対抗策としての意義は強調されているが、全体的には意外に比較的落ち着いたトーンでの報道が多い。公式的にその協定の内容が公開されていないから、掘り下げての論評は出しにくい一面があったのかもしれない。

 一方、中国のインターネットには、より刺激的な内容が出ている。中国政府の正式発言ではなく、民間の解釈と理解していいものだが、そこに透けて見えてくるものがある。それは何か。