「組織の慢性疾患」とは何か
過去30年間、このままでは既存の産業や企業が衰退することは、誰でも予想できた問題です。しかし、今日まで、これといった手を打ってこなかったことによって、今のような閉塞感に至っているのです。
つまり、「放っておくと悪くなるけれど、どこから手をつけたらいいかわからないのでそのままにしていた」から今の事態に至ったのではないでしょうか。
私は、こうした状況を「組織の慢性疾患(まんせいしっかん)」と呼びたいと思います。
慢性疾患とは「根治は難しいが、寛解(かんかい)(症状が落ち着いて、安定した状態を保てる)を目指す」類の病です。
具体的には、新しいことに取り組んでも社内の協力が得られずなかなか進まない、会議で誰も発言しない、納期の遅れが頻発している、病欠者や離職者が多いなどが挙げられます。
これらを抜本的に変えようとする、つまり根治させようとするアプローチは正しいのでしょうか?