米国ビジネススクール講師である著者が、グローバル人材のための「決算書の読み方」を伝授する本連載。基礎編で学んだ決算書をベースに企業のビジネスモデルを検証していきます。
今回は動画配信サービスを運営する米ネットフリックス(Netflix)を取り上げたいと思います。コロナ禍で在宅時間が長くなり、ネットフリックスのような有料の動画配信サービスに契約した方も多いのではないでしょうか。最近ではこのような動画配信企業が増加しており、まさに業界は戦国時代といったところです。
そんな中、ネットフリックスは世界で2億人の有料会員を獲得しています。米IT企業の巨人たちGAFAにネットフリックスのNの頭文字を加えて、「FAANG(ファング)」(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、グーグル)と呼ばれることもあります。
ネットフリックスの強みはどこにあるのか?今回も彼らの決算書を見ながら分析していこうと思います。
ネットフリックスとフェイスブックのCFSを当ててみよう
では、今回のクイズです。下図の2社のキャッシュフロー計算書(CFS)を比較して、AとBどちらがネットフリックスか、フェイスブックか当ててみてください。
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ちなみに、2020年度はコロナの影響があり、CFS内で異常値が発生したため、クイズでは19年度の数値を使っています。また、イメージ図内の各キャッシュフローは、実際の数値を相対的な割合で表現したものになります。各キャッシュフローのプラス・マイナスの特徴を参考に考えてみてください。