LVMHがコロナ禍でティファニー買収、ルイ・ヴィトンと同グループになる意味Photo:NurPhoto/gettyimages

 米国ビジネススクール講師である著者が、グローバル人材のための「決算書の読み方」を伝授する本連載。基礎編で学んだ決算書をベースに企業のビジネスモデルを検証していきます。

 今回は皆さんもよく知るあの最強ラグジュアリー企業モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)に焦点を当てて分析してみたいと思います。

 では、早速ここで本日のクイズです。

 ラグジュアリー業界の大手3社であるLVMHとケリング、リシュモンのプロダクト別売上高比率を見て、どれがLVMHなのかを当ててみてください。各企業の主力・中心商品を想像しながらグラフを見ると、正解を導きやすいかもしれません。

LVMHがコロナ禍でティファニー買収、ルイ・ヴィトンと同グループになる意味出典:各会社の財務報告書(2020)を基に筆者作成

 クイズのヒントとして、3グループの基本情報を整理すると以下の通りです。

【LVMH】
 ルイヴィトン(Louis Vuitton)とモエヘネシー(Moet Hennessy)が合併した会社。現在ファッション・時計など75のブランドを抱える総合高級ブランド企業でラグジュアリー業界で世界1位の売上高を誇ります。
【ケリング(Kering)】
 その歴史は、1963年の木材取引会社「ピノー・グループ」の設立から始まります。90年代に小売業に参入し、99年にグッチを買収、その後プーマも傘下に入れます(2020年末現在の保有株式は10%以下)。売上高ではLVMHに次ぐ世界2位。
【リシュモン(Compagnie Financière Richemont SA)】
 88年に設立。カルティエやIWCなどを抱えるラグジュアリーブランド。売上高は世界4位。

 では、次ページで正解と解説をお伝えしましょう。