円相場の先行きを占うドルと円の攻防は?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

1-3月期のドル円は上昇も
4月に入りドル高は一服

 1-3月期の為替市場では、バイデン政権による大規模財政出動期待を受けた米長期の金利でドル円が上昇した。1-3月期は米国にて民主党「統合政府」(いわゆるトリプルブルー)が実現。大規模財政出動がテーマとなり、米長期金利が大きく上昇し、ドル円は3月31日に110.97円へ大きく反発した。

 ただ4月に入り、ドル円は次の2つの理由から調整モードとなっている。

 1つはバイデノミクスが端境期に入ることだ。米長期金利とドルの上昇は、バイデン政権による大規模財政出動が主因だが、インフラ投資を中心とした2.25兆ドル規模の第1弾(3月31日詳細発表の「米国雇用計画」)に続き、4月28日に人的インフラへの投資を中心とする1.8兆ドルの第2弾(「米国家族計画」)が公表された。

 もっとも米国の大規模財政出動は、市場では相当程度織り込まれている。また法案成立は、早くて今夏の見込みであることから、4-6月期中には目立った進展が見られない可能性が高い。さらに大規模財政出動の財源には、民主党内にも反対意見が存在する各種の増税が盛り込まれている。このため、法案成立まで多数派工作に時間を要し、成立の遅延や規模縮小リスクも燻っている。

 こうした中、米長期金利の上昇モメンタムは弱まる一方、米国のインフレ率は前年同時期がコロナショックによる大幅な落ち込みだったこともあり、前年比3%超へ加速する見込み。名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利は下押しされやすく、ドルの重石となり得る。このためドル円は、4月23日に107.48円へ下落し、下値サポートとなっている一目均衡表の雲にいったん差し込んだ。