米金利の上昇が一服するのに伴い、円安・ドル高局面は終わったのだろうか(写真はイメージです) Photo:123RF

2019年に匹敵する
値幅をこなした3ヵ月間

 為替市場では、米金利の上昇が一服するに伴ってドル高も小康を得ており、対円では110円台後半から109円付近まで引き戻されている(4月16日時点)。こうした動きに関し、筆者は「これで円安・ドル高は終わりだと思うか」との照会を頻繁に受けるが、今少しの上値はあると考えている。

 足もとのドル高調整は「買われ過ぎたから売られた」と言っても差し支えない範囲のものであり、むしろ健全な動きではないか。米10年金利は年初3カ月間でおおむね2倍(0.90%程度→1.70%程度)になり、ドルは名目実効為替相場(NEER)ベースで最大+4.6%上昇した。この間、ドル/円相場の値幅は8.12円(110.72円-102.60円)を記録しており、これは2019年の年間値幅(8.30円)とあまり変わらない。

 ちなみに、コロナショック以前の3年間(2017~2019年)の年間値幅は平均+9.86円であり、「ドル/円相場は値幅10円という極小の時代に入った」という声もあった。あれほどの混乱があった昨年も11.28円でとどまっていた。

 日本への注目度が薄れている、機械取引が主流になっている、貿易収支が均衡しているなどなど、色々な理由が指摘されるが、ドル/円相場に動意が出ること自体が珍しい時代に入っていたのは確かだろう。そのような経緯を考えると、「年初3ヵ月間で8円以上動く」という地合いは、近年の動きに慣れたドル/円市場参加者にとっては、「1年分の値幅をやってしまった」という感覚を抱いてもおかしくはない。