米資産運用大手フィデリティ・インベストメンツが中国フィンテック企業アント・グループの評価額を大きく引き下げたことが分かった。電子商取引大手アリババグループ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が率いるアントに対しては中国の規制当局が締め付けを強化しており、アントの成長見通しは大きく後退している。フィデリティは3年前、他の大口投資家と共にアントに出資した。規制当局への提出資料によると、フィデリティの運用ファンドが保有するアント株の水準が示唆する会社全体の評価額は2月末時点で1440億ドル(約16兆円)だった。ファンド保有株の価値はフィデリティがアント株取得で当初支払った金額を下回っており、アントへの投資で損失が発生する可能性を考慮していることがうかがえる。直近の評価額は昨年8月時点の2950億ドルからも大幅に低下した。当時のアントは上場に向けた準備を進めており、収益性の高さや急成長の実績を盛り込んだ上場書類を公開したばかりだった。
フィデリティのアント評価額が半減 政府締め付け背景
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