【パリ】高速鉄道を含む世界の鉄道システム向けに列車の車輪を製造するフランスのSASヴァルデューヌ社は、過去数十年間、顧客にプレミア価格を請求してきた。しかしその戦略は、2014年に中国の国有複合企業に買収されたことで変わった。  新たにヴァルデューヌの親会社になった鉄鋼メーカーの馬鞍山鋼鉄(MAスチール)は、市場支配を目指して価格を引き下げた。  ヴァルデューヌの元経営幹部、ジェローム・デュシャンジュ氏は「一つたりとも注文を逃してはならないと言われた。この点は明確だった。彼らは経済的覇権の獲得に貪欲だ」と振り返った。