子どもが自ら必要なものを
食べることを親は信じるべき

 セレニティ・キッズのパウチ商品は、6カ月以上の赤ちゃんが対象です。これまで日米ともに、離乳食は穀物(10倍がゆやライスシリアル)から始めるのが良いとされてきましたが、ジョーさんは「お肉こそが最適な『first food』 (最初にあげる食べ物)」だと言います。

「肉類は、体と脳の急速な成長をサポートする生物学的利用率の高い(食べたものがどれだけ全身循環血中に到達し、作用するか)脂肪とタンパク質を含むため、赤ちゃんの最初の食品として理想的です。母乳は動物性食品なので、生後6カ月頃までには、肉を消化するために必要な機能が赤ちゃんのお腹にはすべてそろっているんです」

 娘のデラちゃんがピューレの離乳食を卒業してからは、おやつまたは普段の食事の補助食として、パウチ商品を活用しているとのこと。穀物不使用のパスタにソースとしてからめたり、野菜のディップ、またパンケーキに混ぜて使ったりすることもあるそうです。

「子どもの食事に関しては、その日に食べるかどうかにかかわらず、高品質のさまざまな食品を提供し続けることが必要だと思っています。子どもたちは、私たちが思っている以上にたくましい。親はあまり心配しすぎず、自分の体に必要なものを子どもが自ら食べることを信じることですね」

現代の消費者は
「倫理的な商品」を求めている

 スーパーの売り場のスペースを確保するために、圧倒的な商品数と莫大なマーケティング予算を持つ大企業と競うのは、至難の業です。でも、セレニティ・キッズのジョーさんは、いつかスーパーのベビーフードコーナーに、栄養価の高い商品ばかりが並ぶことを夢見ています。

「現代の消費者は、原材料などの透明性がより高く、栄養価も高い『ethical product』 (倫理的につくられた商品)を求めています。砂糖を極力使わず、質の高い肉や野菜などを原材料とするベビーフードには、きちんとした対価を払ってくれます。セレニティ・キッズというブランドが存在していることが、その証です」(ジョー・カー氏)

 セレニティ・キッズは、当面は米国内での販路拡大に取り組む予定ですが、数年後には海外展開も見据えているとのこと。

「より健康な世界は、赤ちゃんひとりひとりの健康から」をミッションに掲げるセレニティ・キッズの今後の展開に注目です。