妻の浮気が原因で離婚。突如、5歳の息子との父子家庭になった。手元に残された全財産は90万円。定時退社で保育園へ息子を迎えに行く毎日で、残業代ゼロ。年収400万円で、カツカツの生活だった。ギリギリの節約生活で、4年で1000万円を貯め、本格的に株式投資を開始。紆余曲折を経ながらも某企業の大株主になり、資産2億円以上を築いた。いまや成長し、就職した息子とふたりで焼鳥屋に行ったとき、これまでの半生を振り返り、「投資家」と「労働者」の話をした。
「サラリーだけで生きられる時代は終わった」
「億の資産をつくるにはお金に働いてもらうことだ」
「リスクをとらないと得られるものはないぞ」
離婚して父子家庭になり、全財産90万円から資産2億円以上を築いた父親が、投資術を初公開。いま息子へお金と投資の話を教える『どん底サラリーマンが株式投資で2億円』。
住居費は手取り月収の15%以内
【前回】からの続き。
人が生きていくには、衣食住の3本柱が欠かせないが、まず節約すべきなのは「住居費」だ。
節約の基本は、毎月決まった出費がある「固定費」を削ること。
その点、住居費は家計の出費の第1位となっており、固定費のなかでもとくに出費が大きい。
ありがたいことに自分の勤務先には社宅制度があり、独身時代から住まわせてもらっている。
賃料6万9000円の1軒家だが、当時の実質的な負担は8000円だけ。
結婚してからも追い出されることなく、長くそこに住み続けた。
住居費が8000円で済んだのは、とても大きく、会社には感謝している。
自分のような例は稀かもしれないが、サラリーマンなら「住宅手当」がもらえるケースは多いだろう。
自分と同じ県で1人暮らしをしている息子も、勤務先から2万円程度の住宅手当を得ている。
厚生労働省の「平成27年就労条件総合調査」という資料によると、サラリーマンの住宅手当の平均支給額は月1万7000円。
なかでも従業員1000人以上の大企業の支給額は月平均1万9000円を超える。
月々の住居費は手取り月収の20~30%が一般的には妥当とされているようだが、軍資金を貯めるためには、なるべく15%程度まで抑えたい。
仮にボーナスを含めた年平均の月収が手取り30万円なら、30万円×15%=4万5000円。
会社から1万7000円の住宅手当が出るなら、合計6万2000円が住居費となる。
手取り月収がもうちょっと少なく25万円なら、25万円×15%=3万7500円。
会社から1万7000円の手当が出るとするなら、合計5万4500円が住居費となる。
東京や大阪のような大都市だと、さすがに家賃5万~6万円では厳しいかもしれないが、都心から少し離れると選択肢はうんと増える。
低金利でも住宅ローンは愚の骨頂
新型コロナの広がりによってすっかり市民権を得たリモートワークは、コロナ禍が収束してもある程度は定着する可能性が高い。
仮に週2~3回出勤して、あとは在宅勤務となれば、都心にあるオフィスから離れた場所に住んでいても問題ない。
すでにそうした動きが出ており、ワーク・ライフ・バランスを考えて、都心勤務でもあえて海や山に近くて自然が豊かな場所に住むサラリーマンも増えているようだ。
大都市圏の通勤ラッシュも、コロナ以前と比べると緩和されたようなので、通勤時間が多少長くなっても、それほど苦痛にならないのではないか。
家族がいると、さすがにワンルームや1Kでは窮屈だが、夫婦共働きなら、世帯年収の15%前後で暮らせる賃貸物件の幅は広がる。
単身世帯でも共働き世帯でも、低金利だからマンションでも買おうと思っているなら、思い留まったほうがいい。
投資スキルが身につかないうちに、住宅ローンという大きな借金を背負うのは、株式投資にとってはマイナス以外の何物でもない。