テネシー州メンフィスにあるサン・レコードの録音スタジオにてのレコーディング時に撮影した1枚。左から2番目がサム・フィリップス、その右隣がエルヴィス・プレスリー(1956年12月撮影)テネシー州メンフィスにあるサン・レコードの録音スタジオにてのレコーディング時に撮影した1枚。左から2番目がサム・フィリップス、その右隣がエルヴィス・プレスリー(1956年12月撮影) COLIN ESCOTT / GETTY IMAGES

私の最初のヒット曲『3 O'Clock Blues』を録音してくれたのが、サム・フィリップスなんだ(B.B.キング)

 アラバマ州マッスル・ショールズのラジオ曲でDJ、エンジニアとして働いていたサム・フィリップスはテネシー州メンフィスに活動の場所を移し、1950年1月にメンフィス ・レコーディング・サービス社を設立します。「どんな音楽でも、いつでも録音します! 片面3ドル、両面4ドル」というキャッチコピーと共に、貧しい黒人たちにレコーディングの機会を提供しました。

 その顧客の中には、前回の連載で取り上げた「キング・オブ・ザ・ブルース」こと、B.B.キングの名もありました。

 そして1953年7月のある日、白人の若者がここを訪ねてきます。それが、高校を卒業してトラックの運転手として働いていた18歳のエルヴィス・プレスリーです。アメリカの音楽シーンを塗り替えることになる彼のサクセスストーリーは、全てここから始まったのです。