半導体不足は米中経済戦争時代の深刻な「構造問題」

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半導体の不足は
単なる需要の急増問題ではない

　世界経済がコロナからの回復基調にある中で米中経済戦争が世界経済の大きな攪乱要因となっている。

　それが顕著に表れているのが、2020年秋以降の半導体不足だ。

　まず在宅勤務の広がりによって、PCなどの機器に対する需要が増加し、半導体の需要が増えた。そして世界的に半導体の不足が目立つようになった。

　さらに10～12月頃には、中国の自動車市場の回復に対応して自動車の増産が始まり、半導体不足が深刻化した。自動車の生産がこれによって制限されるような事態になった。

　ここまでは、「需要が急増したので供給が追いつかない」という話だ。問題が深刻なことは間違いないが、メカニズムは簡単だ。また影響は一時的ではないにしても､いつかは解決する。

　しかし、問題はこれだけのことだけではない。

　アメリカ政府による中国企業への制裁措置が半導体不足に拍車をかけ、混乱を助長している。