【モスクワ】ベラルーシ人の若手ジャーナリストで活動家のロマン・プロタセビッチ氏(26)は、同国で長年にわたり独裁体制を敷くアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の神経を逆なでしてきた。大統領はついに、プロタセビッチ氏を拘束するため戦闘機を出動させ、同氏の搭乗する旅客機を強制着陸させた。
反体制派の支持者たちにとってこうした動きは、ルカシェンコ氏の手を逃れられる安全な場所はないという冷酷なメッセージを発している。
外国に居住していたプロタセビッチ氏は昨年、激しい論争を巻き起こした大統領選の後、反政府デモを組織する中心人物の一人となった。プロタセビッチ氏が乗っていたアテネ発ビリニュス(リトアニア)行きのライアンエア機は23日、ベラルーシの首都ミンスクに行き先変更を強いられ、同氏はミンスクで拘束された。
ルカシェンコ氏が大胆な措置でプロタセビッチ氏拘束に動いた様子は、昨年ベラルーシで大規模な街頭集会が起こって以来続く反体制派への弾圧の強さを物語っている。デモの指導者や、国内の混乱を報じた記者らは大半が亡命中か拘束されている。