阪急うめだ本店は百貨店の最終形を示した <br />劇場型百貨店の正体と可能性は!?【前編】10月25日、約7年の改装を経てついにオープンした阪急うめだ本店。初日には大勢の買い物客が訪れた
Photo:Diamond Weekly

「東の伊勢丹、西の阪急」。東西の百貨店の両雄は、時としてこう呼ばれます。その西の百貨店の雄である阪急百貨店の旗艦店、阪急うめだ本店が増床し、その一部が遂に開業しました。2005年に始まった建替え増床リニューアルの大事業です。しかし、今回のリニューアルは、単なる旗艦店の大増床というだけではなく、百貨店の未来を占うリニューアルとも言えます。それほどの大きな投資をして臨んだ阪急うめだ本店とは、どのような店づくりに挑戦したのでしょうか。今回の新店ウォッチは大阪の新店に注目し、前編、後編と分けてその魅力に迫ります。

阪急うめだ本店に600億の投資

 阪急うめだ本店のコンセプトは、「劇場型百貨店」です。百貨店と劇場はかけ離れたものだと思う方も多いかもしれませんが、筆者はある意味、納得できます。なぜなら、百貨店とは本来、お客様を非日常空間に連れ出し、買い物を楽しんでもらうような、劇場のような空間であったのです。

 それが、いつからか、百貨店は日常的な店へと変化していました。阪急うめだ本店は「暮らしの劇場」をストアコンセプトにして、百貨店の業態価値を再構築しようと意気込んでいるわけです。

 今回のリニューアルにかける総投資額は、なんと600億円。開業初年度の売上目標は2130億円(阪急メンズ館も含む)を目指しています。新宿伊勢丹に次いで、日本で2番目の売上を誇る店として、生まれ変わろうとしています。