ゴルフ大全#6Photo:JIJI

いよいよ開幕が来月に迫った東京五輪。前回大会から公式種目となったゴルフは、日本屈指の超名門コース、霞ヶ関カンツリー倶楽部で行われる。しかし、会場決定を巡っては、業界関係者の一部がIOC(国際オリンピック委員会)に会場変更の要望書を出すなど一時事態は紛糾。特集『ゴルフ大全 ビジネス×人脈×カネ』(全12回)の#6では、五輪を前にその舞台裏を振り返る(ダイヤモンド編集部 野村聖子、堀内 亮)

ゴルファーなら誰もが憧れる“霞”は
五輪会場にふさわしくない?

 埼玉県川越市にある霞ヶ関カンツリー倶楽部(以下、霞ヶ関CC)。関東でも古くから政財界の重鎮が集う“サロン”として知られ(本特集#1『柳井正氏、孫正義氏、岡藤正広氏らが集い「ビジネスが動く」名門ゴルフ倶楽部の実名メンバーリスト』参照)、ゴルファーなら「一度は“霞(かすみ)”でプレーしたい」と言わしめる、日本屈指の名門ゴルフ倶楽部が、7月に開幕する東京五輪の舞台だ。

 開場は1929年。東18ホール、西18ホールの全36ホールを擁し、日本男子プロツアーメジャー大会の一つである日本オープンゴルフ選手権開催4度、カナダカップ(現ワールドカップ)など大規模な国際競技の開催実績もある。

 伝統、格、そして藤田欽哉、井上誠一らゴルフ場の名匠が手掛けたダイナミックなコース設計といい、五輪という祭典にふさわしいといえよう。

 しかし今から4年前、その霞ヶ関CCに思わぬところからケチがついた。IOC(国際オリンピック委員会)である。