KIT虎ノ門大学院教授・三谷宏治氏の提唱する最強の思考法「重要思考」さえマスターすれば、ロジカルに考え、伝え、聴き、議論することが可能となる。三谷氏の著書『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』からの抜粋で、前回に引き続き、重要思考を使って効率的に「会話や議論」をするための方法を見ていこう。
ルール3
勝手に話さない、ダイジなことからズラさない
ある主張をつぶそうと思ったら簡単です。
示された主張の弱そうなところだけを爆撃して、その反論も受け付けないまま、次をどんどん爆撃していくことです。それを数回繰り返せば、他の会議参加者の中には主張への「ネガティブな印象」だけが残ります。
逆に、かみ合う議論の最大のポイントは「お互い逃げない」ことです。主張のダイジなところから逃げない、質問から逃げない、回答から逃げない、こと。
それをみなが守ることが、意味のある質疑応答の前提となります。
そのためには、(1)発言したければ、手を挙げる、(2)指名されてから発言する、こと。そして、(3)勝手に議論のテーマ(ダイジなこと)を変えない、(4)変えるならそれを事前に言い、承認を受ける、ことです。
書くと、当たり前のことですよね。でもこれこそが「重要思考」で議論することの根幹なのです。