数のゲームに一度勝つと、
物件探しがとにかく楽しくなる

 この土地情報を得るために何かマジックやコネがあったわけでは決してない。アットホームに公開されている一般情報をサーチし続け、何百というBOE分析を行った結果、確信を持って買付証明書を入れた数十の物件のうちのひとつが最後に素晴らしい条件で取得できたものだ。

 数のゲームに一度勝つと、物件探しがとにかく楽しくなるし、BOE分析が頭の中で軽くできるまでになってしまう。

 逆に業者が囲っている情報はもちろん有益なものもあるが、実際は業者が囲っている物件は、自分達の利益分や成約確度をあげるための思惑が働くため、買い手にとって有利であることは本当に少ない。三為(さんため)といって何社かの仲介業者が売却益を上乗せして販売しているものもある。

 ここで三為仲介業者が示してくる表面利回り6%、投資額8000万円が本当に平均を超えた、いい投資なのかどうかを自分なりのBOE分析でしっかりと確認すべきだ。

 下の図では既にアルファ(平均を超えた投資的なうまみ)が三為仲介業者に食い尽くされてしまっている。このBOE分析をしたうえで、それでも三為仲介業者から購入する物件が投資的うまみをご自分が享受できる場合は、もちろん問題ない。

建設会社サラリーマンの手取りを十分に上回る、<br />ローン後キャッシュフローが得られた<br />BOE分析とは?

 投資的にはゴーだし、三為仲介業者もあなたにしっかり儲かる物件を紹介して、彼らなりにも十分な儲けを出していてウィン・ウィンの関係だ。重要なのは、取得時の表面利回り(年間家賃収入÷物件価格)が少しでも変われば、大きなお金が動いているということを掴んでおいてもらうことだ。

上田真路(うえた・まさみち)
建築家・不動産投資家
KUROFUNE Design Holdings Inc. 代表取締役CEO
ハーバード大学デザイン大学院で不動産投資と建築デザインを学び、投資理論とデザインの力を融合させたユニークな不動産投資を行う。
鹿島建設入社4年目に不動産投資を開始。数々の不動産投資セミナーに足を運び、不動産関連書籍を数十冊読破。そんな中で出会ったメガ大家集団をメンターに持ち、指導を仰ぎながら不動産投資をスタートする。最初に行った東京・神楽坂での新築マンション開発では超狭小地に苦労し、辛酸を舐めつつも独自の不動産投資スタイルを確立する。現在5棟の超優良物件を保有。保有物件の中では投資額が4年間のうちに26倍になったものもある。
1982年高知県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科、同大学院卒業後に鹿島建設入社。
大学院卒業時にリゾートホテル開発プロジェクトにより早稲田大学小野梓芸術賞を受賞。
同社では国内外で建築設計や大規模な都市開発業務に従事。鹿島建設社長賞、グッドデザイン賞、SDレビュー賞などを受賞。2016年、ハーバード大学デザイン大学院(GSD)へフルブライト留学。2018年、GSD不動産デザイン学科を卒業、外資系不動産ファンドでの投資業務を経験した後、KUROFUNE Design Holdings Inc.(デザイン事務所兼不動産ファンド会社)を創業し独立。現在はハーバード学生寮生活で得た原体験をもとに、住まいと学びを融合させた国際学生寮「U Share」を開発運営する。また、慶應義塾大学SFC特任講師、早稲田大学特任講師として「不動産デザイン」について教えている。初の著書に『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』(ダイヤモンド社)がある。