どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化したハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーこちらからどうぞ。

プロデューサー型大家に求められる<br />投下資本と<br />支出のデザインとは?Photo: Adobe Stock

細長いペンシルビルは、建設コストが割高に

 ここで効率的な投下資本についても注目してみよう。

 細長く天高くそびえるペンシルビルは確かに多くの部屋が取れるかもしれないが、細長い建物形状を支えるために地盤改良工事や杭工事、そして強靭な構造体が必要だ。したがって、実は建設コストが非常に割高になってしまう。そして極太の柱も邪魔だ。

 では、下図の右側のように地下室を作り店舗テナントを入れて、高さを5階までほどに抑えてみたらどうだろう? 鉄筋コンクリート造でも5階までであれば、壁式鉄筋コンクリート構造といって安くて効率のよい建設方式が採用できるので、コストパフォーマンスもよい。

 実際、神楽坂のケース・スタディでは、ペンシル型の9階のプランと地下1階地上5階のプランでは、なんと建設費用に倍の価格差が生じた。