苦境が続く外食で、勝ち組のFOOD & LIFE COMPANIESとゼンショーHD。だが、両社の“借金戦略”を見ると正反対。ゼンショーにはオーナー企業ならではの“事情”も……。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
フード&ライフとゼンショーHD
コロナ禍の勝ち組「借金戦略」
「うちは、銀行借り入れよりも社債の方が調達コストは安い。格付はA格だし」。回転ずしチェーンのスシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES(フード&ライフ)の水留浩一社長は、“借金戦略”で社債を活用する裏側を明かす。
コロナ禍で苦境が続く外食業界。決算では最終赤字が続出し、債務超過に陥る企業も出てきた。業界を取り巻く環境は厳しいものの、当然ながら勝ち組は存在する。
冒頭のフード&ライフに加え、すき家などを運営するゼンショーホールディングス(HD)はその筆頭格であろう。
両社共に、直近決算では、最終黒字を確保していることに加え、コロナ禍でも果敢にM&Aや新規出店などの拡大路線を歩んでいる。当然、“攻める”ためには、資金調達が必要となるが、フード&ライフとゼンショーは、「銀行借り入れ以外」の手段を、借金戦略の主軸に置いている。
戦略の背景にある事情とは――。