会議で発言しない部下に上司がついやってしまう「NG言動」とはPhoto:PIXTA

質問したり意見を求めたりしても、若手メンバーから返答や発言がないという状況が散見される。躍起になって発言するように迫れば、若手はますます萎縮する。どうすれば若手に積極的に発言してもらえるのか、悩んでいるリーダーは少なくない。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

質問しても返答がない、意見が出ない…
若手人材の「沈黙」にどう向き合うか

 若手人材にモチベーション高く活躍してもらうことは、上司の重要な仕事の一つである。ただ、若手とどう向き合うかについて、課題を感じている人は少なくない。「若手を巻き込もうとしても、反応がない」「メンバーに質問をしても、答えが返ってこない」「納得しているのかしていないのか、考えが分からない」といった声を聞くことがよくある。

 面談で「先月○○に取り組んでみてどうだった」と質問しても、「いえ、別に、通常通り実施しました」と内容について答えてくれなかったり、「チームの来月の方針について気になることがあるか?」と聞いても、「特にありません」と返すのみだったりする。チームメンバー全員に意見を求めても、誰も何も発言せず、メンバーはうつむいてしまい、沈黙が続くというわけだ。

 中には、「反応や返答がないということは、賛成しているということだ」と楽観したり、「最近の若者は草食系でおとなしいので、無理もない」「世代が違うので、考えが分からなくてもしょうがない」と諦観したりしてしまう上司もいる。

 しかし、反応がないということは、むしろ異論や懸念を抱えている可能性の方が高い。世代の違いで片づけてしまっては、問題は一向に何も解決しない。時間の経過とともに、断絶はさらに深まる。

 実は、メンバーから発言がないときに、リーダーが良かれと思ってついしてしまう言動がある。それがトリガーとなり、メンバーの沈黙をさらに増長してしまい、若手が能動的に発言しなくなり、ひいては若手がイキイキ働くことができない職場になってしまうのだ。