
誰でも、音楽の一部が頭にこびりついて離れず、繰り返し流れ続けて煩わしい思いをしたことがあるはずだ。この「イヤーワーム」と呼ばれる現象が、睡眠の質に悪影響を与える可能性のあることを、米ベイラー大学の睡眠研究者Michael Scullin氏らが報告した。研究結果の詳細は、「Psychological Science」に6月9日掲載された。
1日に何時間も音楽を聞き、就寝時間近くに音楽鑑賞をする人は少なくない。そこでScullin氏らは、音楽が睡眠に及ぼす影響を、イヤーワームに着目して、調査と実験により調べた。
まず、199人(平均年齢35.9歳)の参加者に対して、睡眠の質、音楽を聞く習慣、および生じるイヤーワームの頻度(入眠時、深夜の覚醒時、および起床後すぐに、イヤーワームが生じた回数など)に関する一連のアンケート調査が行われた。その結果、頻繁に音楽を聞いている人は、夜間にしつこく続くイヤーワームを経験する頻度が高く、それが睡眠の質の低下と関連することが明らかになった。