テレワークでは「性善説」で関わることが何よりも大切!

『テレワークで部下を育てる』片桐あい著 青春出版社刊 1540円(税込)『テレワークで部下を育てる』片桐あい著 青春出版社刊 1540円(税込)

 離れたチームで成果を出すために必要なマインドとしては、「性善説」が非常に大切です。

 人は疑いだしたらキリがありません。そしてそれは行動や言動に表れます。仕事をサボっていた人は、テレワーク以前からサボっていたことでしょう。でも、真面目に働いてきた人がテレワークになったからといって、見張っていないと人はサボるものだと思ってマネジメントしていては、非常に窮屈で意味のないルールができあがってしまいます。

 たとえば、「就業時間はカメラを一日中オンにするように言われた」とか「1時間に1回電話がかかってきて仕事にならない」とか「日報で15分単位のタスクを報告しろと言われる」など、テレワークになってから実際に上司に言われたという事例があります。

 こんなことを言われたら、真面目に仕事しようと思っていても、どうやってサボってやろうか!という気持ちになるかもしれません。逆に上司が信頼してくれていることが分かれば、その気持ちに応えて、「もっと頑張ろう」「期待に応えたい」と思うものです。

 性善説で関わり、仕事の成果やプロセスに対してフィードバックすることができれば、性悪説で関わるよりもメンバーのモチベーションは高まります。相手が見えないからこそ信頼して任せてみる、足りてないところは率直にフィードバックする、という関係性があればチーム内の雰囲気もよくなります。リーダーがどうメンバーに向き合うかでテレワークの職場の空気感ができあがるのです。

 まだまだ続くテレワーク。たとえコロナが落ち着いてもテレワークのメリットを最大限活用するためにも、やらされ感のテレワークから戦略的なテレワークを実現するためにも、今一度、テレワークでのマネジメントスタイルを見直してみましょう。