今夏の攻勢でアフガニスタンの3分の1の地域を支配下に収めた反政府武装勢力タリバンは今週、同国北東部のバダフシャーン州を一気に制圧し、山岳地帯にある中国・新疆ウイグル自治区との境界線に達した。過激派組織アルカイダの影響下にあった新疆のウイグル系武装グループとタリバンの歴史的関係を考えると、タリバンが国境地帯に進出した事実は、以前なら中国政府を警戒させていただろう。しかしタリバンは現在、自分たちのアフガン支配を何とか中国に黙認してもらいたいとの意図から、節を屈して中国の懸念を和らげようとしている。北京の清華大学・国家戦略研究所で研究部長を務めるチエン・フェン(Qian Feng)氏は、「タリバンは中国に友好の意思を示そうとしている。特に米軍のアフガン撤退後、中国が以前より重要な役割を果たすことを彼らは期待している」と語った。
中国国境に達したタリバン、内政干渉は回避か
アフガンの反政府勢力、新疆自治区のウイグル人に共感も当面は近隣の大国刺激せず
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