「リアルな妄想」を持っているか?

ひろゆき氏:話の流れでなんとなくわかるかもしれませんが、最後に重要視するのは、「未来の話」をするかどうかです。過去と現在はここまでの段階で押さえておいたわけですから、最後は徹底的に「未来」についてのことを聞き出します。

 ちなみに、この順番も大事ですよ。多くの人の失敗は、履歴書や最初の面接の段階なのに、「未来の話」を評価してしまったりしているパターンです。

「これから私はこういうことをします」「あなたと一緒に、こういうことがしたい」というような未来の話を最初にする人って、詐欺師しかいませんから(笑)。商売の詐欺師は「これからこの株が上がる」というような儲け話を持ってきますよね。結婚詐欺師だって、「あなたとの将来はこうしていきたい」という未来の話をエサにして近づきます。

 つまり、未来の話は、「口がうまい人」なら上手にダマせてしまうんです。それをふるいに落とすのが、「過去」や「現在」の話なわけです。

――つい、最初に「これからの話」をしてしまうかもしれませんね。

ひろゆき氏:はい。なので、できるだけ、最初はそういう話を振らないこと。相手が話してもスルーすることです。そして、最後の最後に、徹底的に「未来の話」を詰めていけばいいんです。

 その「未来の話」の解像度の高さです。漠然とした感想ではなく、データに基づいて話しているか。自分の実績と紐づいているか。そもそも業界や職種のことを調べているか。

 つまり、「未来の話なのに、ちゃんとリアルだ」と思わせてくれるかどうかですね。「リアルな妄想になっている」というのが重要です。そもそも個人の考えている未来の話なんですから、いわゆる未来予測であって外れる可能性もあります。

 しかし、それでもその人がどんな道筋を描いて、この先の1年や3年、5年というスパンを過ごそうとしているか。一緒に仕事してどういうことをやろうとしているか。それだけであれば、十分に見極めることができるでしょう。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。