NHK『あさイチ』の片づけ特集でも話題の片づけアドバイザー・石阪京子さんは、著書『一回やれば、一生散らからない「3日片づけ」プログラム これが最後の片づけ!』の中で、「片づけるとお金が貯まる」と断言している。無駄な買いモノが減るから? モノを大切にするようになるから? 石阪さんが明かす理由は、そのような表層に留まらない。いったい、家の片づけとお金にはどのような関係性があるのだろうか? 納得いくまで話を聞いた。(取材・構成/森本裕美)
目で見える「モノ」を把握できない人は、
目で見えない「財産」を管理できない
――今回の本に「片づけられない人は、財産やお金の管理も苦手な人が多い」と書かれていました。その理由を解説していただけますか?
石阪:片づけられない方は、家にどんなモノがあって、どれぐらいの量があるのかを把握しきれていない方が多いんですよ。
モノは物質なので、目で見えますよね。それらを、きちんと把握できていないうちは、目に見えないお金を管理するのは難しいですね。
財産に関わる書類なども整理できていないと、銀行にいくら預けていて、保険にいくら支払っていて、家を売却したら大体いくらになるとか、車に年間いくらかかっているとか、目で見えないお金や財産を把握するのはすごく難しいです。
――目で見えるモノを管理できない人は、目で見えないモノは管理できない?
石阪:そうです。家計管理は、予算があってその中でやりくりしますね。その考え方と、収納スペースの中でモノの量をやりくりするのは、同じことなんですよ。
また、散らかっていると、必要なモノが探し出せず、同じようなモノを再び買ってしまうこともありますね。
ある生徒さんのお家には、頭痛薬や胃痛、湿布薬、処方された薬も含め、使いかけや未開封の薬が大量にあちこちから出てきました。
お聞きすると体調が悪い時に薬を探し出せなくて、買い足した薬類だったそうです。
薬なんて一つ一つは小さいモノと思われるかもしれませんが、大量にあると場所をとりますし、薬もお安いモノではないですよね。