NHK『あさイチ』の片づけ特集でも話題の片づけアドバイザー・石阪京子さん。独自のメソッドを50のルールにまとめた『一回やれば、一生散らからない「3日片づけ」プログラム これが最後の片づけ!』が大ヒットを記録している。せっかく片づけてもすぐにリバウンドする人が多いなか、石阪さんのメソッドは、絶対にリバウンドしないと評判だ。その秘訣は「二度と散らからない仕組みづくり」と「リバウンドを防ぐ心構え」にあった。(取材・構成/森本裕美)
最初に収納ケースを買うと、必ずリバウンドする
――石阪さんの元には、リバウンドを繰り返している人が「最後の砦」として駆け込んでくるそうですね。リバウンドを繰り返しがちな「ダメな片づけ方」ってありますか?
石阪:キッチンだけとかクローゼットだけなど、一部分だけの片づけです。
家一軒を片づけ切っていないと、リバウンドしてしまいます。家にあるモノを全部出し、何がどれだけあるかを把握して、必要なモノだけを厳選します。収納枠に対して7割収納で片づけ切ると絶対にリバウンドしません。
最も良くないのは、片づけ前に収納ケースを買ってくることです。
使わないモノをしまうための「枠」が増えるので、片づける前よりもモノが増えてしまいます。収納の中に隠しただけで、さらにモノを把握できなくなり、また同じモノを買ってしまうことにもなり、悪循環に陥ってしまいます。
――枠が増えるというのはどういうことですか?
石阪:例えば、どんなに片づけられない方でも、会社で「荷物が多いからロッカーを2つください」とはならないですよね。ロッカーは一人一個。荷物はここに入るだけ。自分はモノが多いからもう一つロッカーが要るとはなりませんね。
自分の家も同じです。まずは「ここは夫婦の寝室」「こちらは子ども部屋」という風に、大きな枠を決めます。そして「自分の洋服は寝室のクローゼットに入るだけ」「おもちゃは子ども部屋の棚に入るだけ」と、さらに枠を決めていきます。そうやって、家族それぞれが自分に与えられた枠を意識することがとても大切です。
――枠というのは、どれだけモノを持ってよいかの目安のようなものなのなのですね。
石阪:はい。ですので、むやみに収納ケースを買い足すと「モノをしまえる場所が増えた!」となって枠が増え、モノが無制限に増えていきます。「モノが多いから、とりあえず100均で収納ケースを買おう」という考え方は一番危険なんですよ。
――なるほど。ただ、隙間があると「あ、ここイケる!」って、収納ケースをつっこみたくなってしまいます。
石阪:デッドスペースは、最後の最後に収納として使う必要があれば使いますが、モノを厳選してみると、空間のままの方がモノを取り出しやすいということの方が多いですね。