片づけると、暮らしが劇的に上向く
――片づけたらお金が貯まったという人は、けっこう多いんですか?
石阪:たくさんいらっしゃいますよ。車を所有することを見直して処分した方や、オンラインでヨガの先生を始めて収入を得るようになった方もいらっしゃいます。
家が散らかっていたら、オンラインでヨガの先生をしようとは考えられないですよね。
また、会社を辞めた方もいらっしゃいます。
片づけを終えて、働き方を見直し会社を辞められた方は、片道2時間かけて通勤されていたんです。なのでいつも疲れてお夕飯は、出来合いの品を買ってくる。
食費がかかるし、休日もしんどいし。子どもさんにも寂しい思いをさせているっていう負い目があり、お稽古事もたくさんさせておられて…。かなりお金がかかっていたんです。
けれど、家が片づいて、お金に向き合って見る時間ができて、大体いくらあれば生活できるかを整理されました。すると会社を辞めて、近くでパートをしたほうがむしろいいんじゃないかということが見える化したんです。
その方は、片道2時間の通勤の無駄がいかに体力も気力も奪い、費用対効果が悪いかということに気づかれたんですよ。
――本の中にも、旦那さんと離婚寸前で、自分の家が嫌いで、レジャー費がかさんでいたけど、片づけたことで生活が一変した人の話が載っていましたよね。大きな決断をできるというのは、石阪さんの片づけが暮らしの土台を整えるという根本に根差したものだからこそだと感じます。
石阪:はい。暮らしを整えて幸福な暮らしを手に入れることが、片づける理由だと思っています。片づけの先にあるはずのゴールがなくて、ただ単にモノを手放して、寒々しい家にするだけだったら、なんの意味もないなと私は思っています。
片づけをすることによって、思考が変わり、生活が変わるから、お金が貯まるようになったり、家族が仲良くなったり、もっと深いところにある生き方が変わるから、ちょっと頑張ってでも家の片づけはやったほうが得だと思います。
家が散らかっているせいで生じる悪循環を断ち切る方法
――片づいていないことで悪循環が色々なところで起きているなっていうのは、なんとなく気づいてらっしゃるんでしょうね。
石阪:そうですね。モノや情報が溢れているせいで、キャパオーバーで身動きがとれず、思うようにやりたいことができず、不安や苛立ちが起こるんですよね。
今、コロナのこともあり、本当に不安な世の中だと思います。旦那さんのお給料が下がったとか、パートに行く回数が減ったとか、皆さん嘆いてらっしゃいます。
――でも節約できるわけでもないんですよね。
石阪:疲れていると、モノを買うことで一時的にしんどいことを忘れられますから、ついついコンビニにふらっと入って、メンタルを癒してくれたり素敵な暮らしが載っている雑誌を買って、甘いものやお菓子を買い物して気づけば1,000円以上使ってしまう……。
そういう日が週に何日かあるとお金がたまらないですね。
――すごくわかります。そういう悪いスパイラルにはまっている人が、まずすべきことはなんですか?
石阪:部屋を片づけて暮らしを土台から見直すことです。
片づけ終わった人というのは、何に悩んでいたんだろう、何とあんなに闘っていたんだろうというくらいスッキリして、前向きになられるんですよ。
今はモノに縛られて身動きができないかもしれませんが、モノをコントロールできるようになります。
本当に大切なモノのために、この本を読んで家を片づけて、幸せな暮らしを手に入れていただけたらと思います。
【大好評連載】
第1回 1000人以上を見て分かった「片づけられない人」の共通点
第2回 いったいどこまで捨てれば家は片づくのか
第3回 NHK「あさイチ」でも実証済み! なぜ石阪メソッドは絶対にリバウンドしないのか
片づけアドバイザー 宅地建物取引士 JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー
大阪で夫と不動産会社を起業、夢のマイホームを手に入れても片づかないことで理想の暮らしができないと諦めている多くの人に出会う。自分にできることはないかと女性目線での建築設計、引っ越し後のアフターフォローとして家の片づけを提案。独自のメソッドは、一度やれば絶対にリバウンドしないのが特徴で、これまで様々な片づけ方法を試してきた人たちの「最後の駆け込み寺」となっている。同メソッドで片づけに成功した人は1000人を超える。