コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本製鉄、ミネベアミツミなど、製鉄/金属製品業界の5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
日立金属、JFEHDは四半期減収
ミネベアミツミは10%超の増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製鉄/金属製品業界5社。対象期間は21年1~3月期の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本製鉄
増収率:マイナス4.6%(四半期の売上収益1兆3795億円)
・ミネベアミツミ
増収率:10.6%(四半期の売上高2510億円)
・日立金属
増収率:4.6%(四半期の売上収益2202億円)
・JFEホールディングス
増収率:マイナス3.1%(四半期の売上収益9088億円)
・神戸製鋼
増収率:2.8%(四半期の売上高4945億円)
5社のうち、日本製鉄、JFEホールディングスが四半期減収(前年同期比)、他3社は増収となった。この明暗の差が生まれた理由は何か。次ページからは各社の詳細な数字とともに解説する。