国内販売店の数を
48から18へ縮小

 私がトライアンフに入社時、国内には48の販売店がありましたが、その多くは町の自転車屋のような規模で、接客も十分とはいえない状況でした。

 そこで、顧客対応の質の向上などの方針をお伝えし、遠くからでも顧客が足を運んでくれるような良い店への取り組みを強化してもらいました。その過程で残念ながらトライアンフの販売をやめる店も多く、結果、販売店は18となりました。

 これらの販売店の中には、年間販売台数が10倍以上に増えたところもあります。成功事例が出始めると、他の販売店のモチベーションも上がりますし、業績が上がれば、社員の給料アップや店舗への投資も可能となり、さらなる集客につながる。こうして、本社、販売店ともに成長することができたのです。

 販売店の改革にあたっては、輸入車シェアナンバーワンのハーレーダビッドソンの店に何度も訪れ、接客を学んだり、(ハーレーダビッドソンジャパンで約19年間社長を務めた)奥井俊史元社長にお話を伺ったりもしました。当時は、まさか将来、自分がハーレーダビッドソンジャパンの社長になるとは思っていませんでしたが。