過労による入院から一転、東京都議会議員選挙のサプライズ応援で“子分たち”の窮地を救い、IOCのバッハ会長から誕生日をお祝いされるなど、全快とはいえないまでも、活力を取り戻しつつあるようにみえる小池百合子東京都知事。だが、入院時の詳細や、副知事への業務の引き継ぎについて、都は情報公開請求に対し「文書がない」と回答。“公人中の公人”たる東京都知事の入院が「ブラックボックス」のままなのだ。(元東京都選挙管理委員会事務局長 澤 章)
リモート復帰の翌々日に選挙応援
入院先も公務の引き継ぎも「文書なし」
6月22日に「過労」を理由に入院。7月1日にリモートで公務に復帰し、翌2日には記者会見を開催。東京都議会議員選挙の選挙戦最終日である3日には、自身が事実上率いる「都民ファーストの会」の候補者を激励するため、都内各地を回って見せた、小池百合子東京都知事――。
ダイヤモンド編集部が、小池知事の病状や入院先医療機関について、都の情報公開条例に基づき開示請求を行ったところ、都庁内で文書や記録を一切作成していないことがわかった。
さらに、知事の入院期間中、公務を代理した多羅尾光睦副知事への業務の引き継ぎなどに関しても同様に、請求対象となる文書は「不存在」と回答した(写真は次ページ)。