みどりの食料システム戦略 第2回:ビジネスの現場で、もう始まっている「農と食の未来」

農林水産省

加工や消費との連携で農業と地域の持続可能性を高める

アグリーンハート
佐藤拓郎 代表取締役
ウクレレに似た小型のギター、ギタレレを抱えて自作曲を歌うライブ活動を行う「農音楽家」でもある佐藤代表。地元テレビ局で食・農専門のレポーターを務めたり、地元金融機関のCMに出演したりといった活動も

 もちろん、こういった戦略は農業生産法人としては国内で唯一、グローバルGAPと有機JAS、ノウフクJAS(農福連携についての認証制度)の3認証を取得済みという、地に足の着いた「未来の農業」あってこそなのだが、大量生産と有機農業、地方での生産と都市での消費といった異なる要素を組み合わせての多面的な展開がアグリーンハートの強さの秘密だ。

 同社は、自社以外の生産者の手による有機野菜も対象とする食品加工プラントも立ち上げており、生産→加工・流通→消費と連なる食料システムを一体的に捉えている。この食品加工事業で生産しているのは、有機栽培のコメや野菜を原料とした冷凍食品の離乳食。需給のアンバランスから生まれる余剰分も有効利用し、安心・安全な加工品を子どもたちに届ける。これは環境負荷の低減や食育の推進につながる取り組みでもある。

──持続可能な食料システムは、生産者だけでなく、事業者、消費者の理解と協働の上で実現するものであり、こうした関係者の努力が将来にわたる我が国の食料・農林水産業への国民の支持につながるものとなる──

 これは、冒頭で紹介した農水省の「みどりの食料システム戦略」に掲げられた言葉だ。アグリーンハートは、スマート農業や有機農業に加えて、この分野でもすでに実績を積み重ねてきた。そこに示されているのは、日本の食料システムのあるべき姿の一つだ。

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