感染者数と実質GDP成長率の関係

 次に、感染者数と実質GDPの成長率を見たのが下の図5である。感染者が増えるほど成長率が低下する傾向が明らかである。

 したがって、感染者数が増加したのでやむなく経済活動を抑え、経済活動が低下したので休業補償や失業対策費などが拡大し、また、医療費もかさみ、政府支出も増大したという関係が分かる。

 これらの図から、台湾、韓国、ニュージーランド、オールトラリアのパフォーマンスが良いことが分かる。感染者が少ないので政府支出も少なく(図4参照)、経済成長率の低下が小さい(図5参照。台湾はプラス3.1%の成長)。

 日本はというと、感染者数はフランスの13分の1、アメリカの16分の1なのに、コロナ対策予算は両国と同じ程度である(図4)。感染者数はカナダの6分の1、ドイツの7分の1なのに、GDPの落ち込みは同じようなものだ(図5)。ざっと国際比較をしたところ、日本のコロナ感染症対策は経済的にはあまりうまくいっていないのではないか。