中国で進む少子高齢化
中国では、少子高齢化が進んでいる。
まず、少子化については、中国では出生数が公表されず出生率(‰、人口1,000人当たりの出生数)のみ公表されている。出生率をもとに手元で試算した出生数は、1987年の2,550万人が直近のピークであった。最近公表された2020年の出生数の1,200万人と比べると、中国の出生数は、およそ30年間で半分以下に減少したことになる。
少子化の背景には、1980年ごろに始まった「一人っ子政策」がある。一人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は、「一人っ子政策」が開始される直前の79年には2.75であったが、2010年には1.18に低下した。こうした長期にわたる出生数の減少によって、生産年齢人口(15~64歳人口)は14年に減少に転じた。
次に、高齢化について見ると、65歳以上の高齢者人口は、所得水準の上昇などに伴い平均寿命が伸びたことにより増加が続く。高齢化の目安として、一般に高齢者の全人口に占める比率が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会とされるが、中国は00年に高齢化社会になり、20年には高齢人口比率が13.5%と、高齢社会の一歩手前にある(次ページ図表)。