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 動物を用いた試験で、実験段階にある吸入型の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンが、感染予防に有効である可能性が示された。このワクチンは、動物から動物への感染も防御したという。米アイオワ大学小児科、および微生物学・免疫学教授のPaul McCray氏らによるこの研究は、「Science Advances」に7月2日掲載された。

 このCOVID-19のワクチンは、季節性インフルエンザ用の経鼻ワクチンと同じように、鼻腔内にスプレーを吹きかけるだけで接種できる。接種回数も1回で済む上に、通常の冷蔵保存で最長3カ月間、保管可能だ。

 このワクチンの仕組みは、パラインフルエンザウイルス5(PIV5)を用いて新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の遺伝情報を細胞内に送り込み、ウイルス感染に対する免疫反応を誘導するというものである。PIV5はパラミクソウイルス科に属するマイナス1本鎖RNAウイルスであり、目立った症状を引き起すことなく、容易にヒトを含めた動物に感染する。PIV5はこれまでにも、インフルエンザやRS感染症、狂犬病などに対するワクチンでのウイルスベクターとしての役割が検討されてきた。McCray氏らは過去の動物を用いた研究で、このPIV5をベクターウイルスとしたワクチンにより、別の危険なコロナウイルス感染症である中東呼吸器症候群(MERS)への罹患を完全に防げることを示していた。