この1年で水質が急上昇したスポットは?
毎年常連、ベスト10に入った湖

 静岡県沼津市の七つの海水浴場に次ぐ第8位は、三重県紀北町の城ノ浜だった。昨年はCOD1.033mg/リットルで46位だったが、今年はCOD 0.5mg/リットルで、一気にランクアップした。波静かな内海にある穏やかな海水浴場だ。

 三重県の大気・水環境課の担当者は、「今年は梅雨入りが早く(調査実施に近い)5月中旬だったため、川の水が海に入り込み、三重県全体としては例年より水質が下がった。しかし、城ノ浜は地形的にそういった影響を受けにくかったのかもしれない」と話した。

 9位の田沢湖(秋田県仙北市、CODは0.600mg/リットル)は、「水がきれいな海水浴場ランキング」ベスト10の常連。今回もベスト10に、唯一の湖沼としてランクインした。田沢湖はほぼ円形のカルデラ湖で、最大水深が423.4mと日本で最も深い湖だ。

 基本的には、海流で水が入れ替わる離島周辺や、人口が少なく生活排水などが混ざりにくい場所にある海がきれいな水質を保てるが、田沢湖はその深さゆえに水質が良いようだ。

 同率で9位にランクインしているのは、他に4カ所。福島県いわき市の薄磯と勿来、三重県志摩市の大矢浜、山口県萩市の湊だ。ただし、福島県いわき市の海水浴場の開設は全て中止となっている。

 冒頭でも記したように、今年も去年に引き続き、全国で約4割の海水浴場が開設中止となっている。今後の新型コロナウイルスの感染状況次第では、途中で閉鎖されることもあり得るかもしれない。開設されていない海水浴場は遊泳ネットが未配置のため、きちんと開設されている海水浴場と比べてサメなどの危険生物と遭遇する可能性が高まる。また、遊泳区域を示すブイもなく、ライフセーバーや監視員もいないので、泳ぐのは非常に危険だ。

 また、海水浴場は野外なので室内より新型コロナウイルスに感染するリスクは低いとされるが、人が集まった砂浜や、周辺施設で感染する可能性も考慮する必要がある。開設されている海水浴場に遊びに行く場合は、十分に注意してほしい。

(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)