このようなリーダーの態度が、部下の「自分で考え自分で行動する」気力を削いでいくのです。そして結局、指示されたことだけやったほうがいいという意識になってくるのです。

 仮に大した提案ではないにしても、自分で考えて行動しようとする部下の姿勢は認め、また、次にチャレンジする意欲を継続させることが大切です。

上司が取り組まなければ
部下も取り組まない

 先ほどの例ですと、部下のモチベーションを保ち続けるリーダーはこう答えます。

 部下「リーダー、他部門間での資料の流れが複雑で無駄が多いと思うんですよ。改善すれば、工数にして、1ヵ月で総合40時間は削減できる計算なんです。ちょっと話を聞いてもらえますか?」

 リーダー「ありがとう。業務改善の提案だね。よく気がついたね。その前向きな行動はすばらしいよ。興味があるから、もっと詳しく聞かせてもらえないか? 私のほうでも検討してみるよ」

 このような対応であれば、たとえ、この提案が採用されなかったとしても、また前向きに自分で考え、何か気がつけばこのリーダーに提案をしようという気になります。

 もし部下が何か提案をしてきた場合は、しっかりと情報共有するようにしましょう。本質や目的さえはっきりすれば、それを解決する手段と方法はいくらでもあります。

 どのような提案にも関心を持って聞くように心掛けることで、部下は自分で考え、行動する習慣がつきます。

 上司が取り組まなければ、部下も取り組みません。

 このことをしっかりと覚えておきましょう。