恭子 「それが……。会社にも問題はあると思っています。でも、転職後のタイミングで夫が友人関係のトラブルに巻き込まれてしまって。精神的にとても追い込まれていたことも関係あるかもしれません」

カタリーナ 「なるほど。心の病気はさまざまな要因が発症原因になるけれど、業務以外のストレスが原因にあると考えられる場合、労災の認定は難しくなるわね」

恭子 「会社と争いたいわけじゃないんです。ただ、これからの生活が心配で。子どもたちにもお金がかかりますし、専業主婦の私も働こうと思いますが、すぐにいい仕事が見つかるとも思えません」

カタリーナ 「恭子さん、あなたまで無理をして倒れてしまったら大変よ。大丈夫、こんなときは『傷病手当金』を活用しましょう」

恭子 「それは何ですか?」

カタリーナ 「傷病手当金は、健康保険の被保険者が業務外の病気やけがの治療のため働くことができなくて、給与をもらえないときの生活保障として支給されるものよ。続けて4日以上休むと、休業4日目からもらえるの」

恭子 「それは助かります。医師の見立てだと、復帰するまでに3カ月くらいはかかるだろうということだったので。どのくらいもらえるんですか?」

カタリーナ 「ざっくり言うと、休業1日につき、支給開始月以前12カ月の平均標準報酬月額を30で割った額の3分の2に相当する金額になるわ。たとえば、給与が直近1年でずっと30万円だとしたら、支給日額は6600円くらいね」

恭子 「夫の給与は45万くらいです。ということは……」

「傷病手当金」転職1年以内の盲点
給与が高い人は要注意

カタリーナ 「ちょっと待って!ご主人の場合、注意しなくちゃいけないことがあるの。たしか、E商事にお勤めと事前シートに書かれていたわね」