「無料ビジネス」にだまされるな!消費者の判断力を麻痺させる4つの仕掛けPhoto:PIXTA

“無料”や“タダ”ほど人を引きつけるものはない。マイルをせっせと貯めるのも「無料で旅行したいから」だし、クレジットカード選びは「年会費が無料」でないと話にならない。「無料」と聞くと素通りできないのが人の常だが、はたしてそれを選ぶことが本当にベストチョイスなのだろうか。答えはノーだ。なぜなら「無料」は仕掛けられたビジネスだからだ。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)

無料を利用したビジネス4タイプ
その1:動機無料

「無料」に魅了されるという弱みをうまく利用した無料ビジネスがちまたにあふれている。筆者は独自にそれらを次の4つに分類した。

(1)動機無料
(2)入り口無料
(3)条件で無料
(4)見た目無料

 まず、「動機無料」は、無料をエサに人を呼び寄せる手法をいう。例えば、「アイスクリーム1個無料プレゼント」というような、新規オープンの店がよく行う客引きサービスが分かりやすい例だろう。飲食店なら、コロナ前なら「生ビール1杯無料サービス」というところか。タダで手に入るものが欲しいばかりに、わざわざ出かけていくパターンだ。

 無料でアイスクリームがもらえるのが1家族に1個だとすれば、他の家族用にも買うだろうし、飲食店でビール1杯だけ飲んで帰ることはまずない。他にもつまみをオーダーしてお金を使ってしまうのだと分かっていながらも、無料の誘惑にはあらがえないものだ。