上からの指示がコロコロ変わるので、どう動いたらいいか困惑する――そんな不満は、誰もが持ったことがあるに違いない。また、コロナやオリンピック開催における行政の長の判断についても、いろいろ思うところがある人は多いだろう。そこで今回は意思決定や、方針の変更の説明はどのようになされるべきかについて考えてみたい。
創業経営者の多くは「朝令暮改を恐れるな」と言う。一方、大組織のマネジメントに苦しんだ経営者は、「決断は慎重にして朝令暮改は避けるべきだ」と言う。上司の中にも、昨日言ったことと今日言っていることが違っても平気な人もいるだろうし、一定期間はある方針で任せてみて、変更する場合はじっくり考える慎重派の人もいる。
意思決定の選択肢が見えたら
2種類の判断基準に照らして選ぶ
意思決定に関する基本的な構造は、以下のようなものだ。
まず何らかの目標があり、それに従い、外部環境と内部状況を認識したうえで、目標を実現するために複数の選択肢を作成する。その選択肢の中から(ほとんどの場合)一つを選ぶのが、意思決定である。