世界の「今」と「未来」が数字でわかる。印象に騙されないための「データと視点」
人口問題、SDGs、資源戦争、貧困、教育――。膨大な統計データから「経済の真実」に迫る! データを解きほぐし、「なぜ?」を突き詰め、世界のあり方を理解する。
書き手は、「東大地理」を教える代ゼミのカリスマ講師、宮路秀作氏。日本地理学会の企画専門委員としても活動している。『経済は統計から学べ!』を出版し、「人口・資源・貿易・工業・農林水産業・環境」という6つの視点から、世界の「今」と「未来」をつかむ「土台としての統計データ」をわかりやすく解説している。

カボチャに学ぶ「経済と気候」

 2018年の世界のカボチャ生産量は、中国とインドがトップ2です。以下、ウクライナ、ロシア、メキシコ、スペイン、アメリカ合衆国、トルコ、バングラデシュ、イタリアと続きます。

 日本では毎年12月21日(年によっては22日)は冬至と呼ばれ、太陽の回帰の影響によって1年で最も昼の時間が短くなります。転じて次の日から夏至に向けて、徐々に日が長くなっていきます。

 そのため冬至を「1年の終わり」と認識して、運を呼び込むために「ん」で終わる食材を食べる習慣がありました。その1つが「なんきん」と呼ばれるカボチャです。こうして、日本では12月になるとカボチャの需要が高くなりました。

 日本におけるカボチャの伝来は、16世紀にポルトガル人によってもたらされたといわれています。

 ポルトガル語で「カンボジア」を意味する「Camboja(カンボジャ)」が「カボチャ」になったといわれています。カボチャは本来は夏野菜であり、春に種をまいて夏から秋にかけて収穫します。

 つまり、本来は冬から春にかけて、日本でカボチャは端境期(品薄時期)といえます。ところが、日本では1年を通してカボチャを食べることができます。これは一体なぜなのでしょうか?

 次図は、東京都中央卸売市場における2018年11月以降の外国産カボチャの入荷量および卸売価格の推移を表したものです。

【大人の教養】日本でカボチャが1年中食べられる理由を説明できますか?

 カボチャは「夏野菜」なので、6月下旬から11月中旬は国内産等入荷量の割合が大きく、それ以外の時期は外国産カボチャでまかなっています。主な輸入先はメキシコとニュージーランドです。

 2018年の日本のカボチャの輸入先はメキシコ(51.4%)、ニュージーランド(43.3%)、韓国(1.8%)、トンガ(1.8%)、ニューカレドニア(1.4%)です。メキシコとニュージーランドへの依存度が高いことがわかります。