部下が指示を仰ぐ→リーダーが指示を出す→部下が指示内容を遂行して報告する→部下が指示を仰ぐ→リーダーが指示を出す……このサイクルに陥ってしまうと、そこからなかなか抜け出すことができません。これは、リーダーも部下も、仕事はそのように進めるものだという習慣が身についてしまっているからです。
「指示待ち」の甘い味を覚えると
部下は物事を考えなくなる
また、次のようなケースもよくあります。
部下「各部門から提出されたリストをまとめました。次はどうしましょうか?」
リーダー 「あぁ……あれ、今回は大量だなー……。こ、これは……。重複チェックを行えばこんなことにはならないだろ? おかしいと思わなかったのかね? 入社して3年なんだからもう少し注意して行動するようにしてくれないかなぁ……」
これは、リーダーが指示・命令を出し続けているケースです。
実は先ほどの例もこの例も、モデルとなっているリーダーは「かつての私」です。「これを実行していて、ミスに気づかなかった?」と質問をしても、部下は「別に……」としか答えがなかった状態でした。
部下としては、上から「ああしろ、こうしろ」と言われたまま行動をすれば、考えなくてすむのでラクです。そしてそのラクさを覚えてしまうと、次第に考えることをしなくなっていきます。