「自分が成し遂げたい目標」のために
雑談をうまく活用する
それは、「自分が成し遂げたい目標」を定めることです。「英語で上手に雑談したい」という意識をいったん捨てて、「自分が成し遂げたい目標のために、雑談をうまく活用しよう」という意識にフォーカスを移すのです。
そのためには、まずは想定される雑談の場において、「成し遂げたいこと」を考えてみましょう。人によってさまざまだと思いますが、だいたい、以下の5つに集約されるのではないでしょうか?
1. 仕事を円滑に進めるため、ビジネスパートナーと仲良くなりたい
2. 相手に自分の印象を残しておきたい
3. 相手からビジネス上の有益な情報を得たい
4. 交流の場において疎外感を味わいたくない
5. 間が持たず、「気まずい雰囲気」が流れるのを避けたい
このように、まずは「自分が成し遂げたい目標」を定めます。そして、それを達成することに集中して作戦を練っていくのです。1~5について、順番にみていきましょう。
英語の雑談を切り抜ける
5つの方法
1. 仕事を円滑に進めるため、ビジネスパートナーと仲良くなりたい
雑談中は積極的に話すことができなくても、一生懸命、かつ、笑顔で相手の話を聞いていれば、相手からの印象が下がることはないはずです。「感じの良い人だな」と思ってもらえれば、相手と「仲良くなる」ための道はつながります。これでその場における目標は達成です。
そして後日、次のステップへと進みます。
This is ○○(自分の名前). It is my regret that I could not talk much as I am not good at English but I just wanted to tell you how happy I am to meet you. Very much look forward to seeing you next time.
(前にお会いした○○です。英語が得意ではないのであまりお話しできず残念でしたが、お会いできてとてもうれしかったです。次の機会を楽しみにしています)
このようにメッセージを送ってフォローすることで、その後、連絡をしやすくなります。たとえ雑談の場で盛り上がって一気に仲良くなれずとも、その後のコミュニケーションを通して仲良くなれば良いのです。雑談はあくまで「きっかけづくり」ということを意識しておけば、気持ちに余裕も生まれるでしょう。
2. 相手に自分の印象を残しておきたい
今後のビジネスなどのために「印象を残しておきたい」と考えているということは、自分のことをアピールしたい相手がいるはずです。それであれば、その相手のことをあらかじめ観察しておき、雑談のタイミングで相手を褒めるといいでしょう。
I really liked your comment.
(先ほどのあなたのコメント、とても良かったです)
I always wanted to talk to you because I was very much impressed by your book.
(あなたの著書に感銘を受け、以前からあなたとお話しをしてみたかったんです)
このように、自分が相手に感銘を受けたポイントを伝えます。何なら、
I love your jacket!
(すてきなジャケットですね!)
など、服装に関してのコメントでもかまいません。自分に興味を持ってくれる人に対し、嫌な気持ちを抱く人はいません。大切なことは、雑談の場で話しかけていきなり自分の話をするのではなく、まずは相手の良いところを伝える。そうすれば相手も、あなたへの好感と共に接してくれるでしょう。
3. 相手からビジネス上の有益な情報を得たい
雑談の場というのは通常、近くに自分たち以外の人もいるため、自分が得たい情報をピンポイントで聞くことが難しいケースも多くあります。そのような時には名刺を頂き、
If I may, would it be OK to contact you later? I would like to ask you something.
(お聞きしたいことがあるので、後でご連絡させていただいてもよいでしょうか?」
とあらかじめ伝えておき、後日、2人でゆっくりと話せる場を設定するのも一手です。後日であれば「予習」も可能ですし、対面での面会の機会をもらえずともメールなどでのやりとりであれば、じっくりと文章を考えながら作成することができるため、コミュニケーションのハードルが下がります。1の「ビジネスパートナーと仲良くなりたい」というケースと対処法が少し似ていますが、こちらも「特定の情報を得る」という目的を達成するための「きっかけづくり」として、雑談の場を活用するのです。