会社を共同経営する場合、必ず身につけるべき2つの視点会社を共同で起業・経営する場合は、相手の見極めがとても重要です(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 これまで3回にわたって起業の条件や経営者になるための心得・努力すべきことについてお話してきました。簡単にまとめましょう。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 起業して成功するための3つの条件は、「(1)お客さまや社会から評価される自分の強みを生かす、(2)既にある市場に進出する、(3)会社を円満退職する」ことです。

 そして、経営者を目指す人が学ぶべきことの3つの大切なことは「(1)世の中の大きな動きを知るために新聞の大きな記事はリード文だけでもいいから必ず読む、(2)経営の原理原則を身につけるために(ドラッカーなどの)しかるべき本を読む、(3)何千年もの間多くの人が正しいと認めてきたことを学ぶ」でした。

 一人で起業する場合は、これらの事柄を忘れずに必死に磨く努力をすればいいのですが、気が合う友人や同僚らと起業して共同経営する場合はどうでしょうか。

共同経営をする場合に
身につけるべき考え方

 共同で起業する場合は、相手の見極めがとても重要になります。相手に優れたところがあり、お互いに足りない部分を補完できることが共同経営の強みだからです。

 その補完関係がうまく作用すると会社はうまくいき、もうかり始めるのですが、もうかればもうかるほどおごりや緩みが生じて人間性があらわになることがあります。特に、冒頭で紹介した「経営者を目指す人が学ぶべきことの3つの大切なこと」のうちの「(3)何千年もの間多くの人が正しいと認めてきたことを学ぶ」をおろそかにしている人は注意が必要です。