東京五輪の外国人リポーターが語る、選手たちが厳しい規則よりも「辟易」したことオリンピック開催前にポーランドで調整中の選手を取材するクシュシトフ・ゴンチャシさん Photo by Ren Hurricane

新型コロナウイルスのパンデミック真っただ中に開催された東京五輪。今月24日には、パラリンピックが開幕した。東京在住のポーランド人、クシュシトフ・ゴンチャシさんは、母国ポーランドのメディアのリポーターとして東京五輪を取材した。彼の目に東京五輪はどのように映ったのだろう。(フリーライター ミハシヤ)

日本在住外国人リポーターは
異例の東京五輪をどう見たか

 観光で訪れたことをきっかけに日本に興味を持ち、2015年に日本に会社を設立したゴンチャシさん。母国ポーランドではトップクラスの人気を誇るユーチューバーで、10~20代の若者ならその名前を知らない人はいないくらいのインフルエンサーだ(詳しくは『日本はアメイジング!ポーランド人青年が日本で起業した理由』を参照)。

 日本で設立したビデオ制作会社はコロナ禍下にあっても業績は堅調で、現在もゴンチャシさんは東京を中心に活動している。また、2018年の平昌オリンピック冬季大会に続き、今回の東京オリンピックではポーランドメディアのリポーターとして現地取材を行った。オリンピックの開幕前にはポーランドで調整中の五輪代表アスリートたちにも密着取材を行っている。

 パンデミック下での五輪開催についてはいろんな意見や観点があり、単純には是非を語れないとしながらも、ゴンチャシさんは「とても難しい状況にあったことを考えると、個人的には勇気ある決断だったのではないかと思う」と話す。

「特にアスリートはほとんどの人が開催できたことを喜んでいたと思います。彼らはオリンピックを目指してトレーニングや準備に励んできたわけですから。不手際があった部分を批判するのは簡単ですが、この状況でもオリンピックを開催できたのは日本だから。他の国ではなかなかこうはいかないと思います」とゴンチャシさん。

 ただ、巨額に膨らんだ開催費用へ批判が集まるのは当然だろうともいう。ゴンチャシさんは東京都の居住者でもある。日本や都が負う負債は、彼にとっても他人事では済まない。